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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2003年12月のニュース一覧
▼[2003.12.30]いま,すべきこと
▼[2003.12.28]2004年音楽事情
▼[2003.12.26]DVDはコピーしてなんぼ
▼[2003.12.24]判決
▼[2003.12.22]日なたの瞬速
▼[2003.12.20]本当の戦い
▼[2003.12.18]冬の夜空
▼[2003.12.16]あしたを持て
▼[2003.12.14]月と太陽の空をみあげて
▼[2003.12.12]成功の鍵
▼[2003.12.10]更新時刻 1.12/09 21:53 (H)
▼[2003.12.08]R.O.D and N
▼[2003.12.06]ごまかしのストリーミング
▼[2003.12.04]バイトの値打ち
▼[2003.12.02]Falcon

■2004年1月のニュース一覧
■2003年11月のニュース一覧


 
[2003.12.30]
  いま,すべきこと


 ▼California City Claims 'Biggest Hot Spot'(PC WORLD)【英語】
  http://www.pcworld.com/news/article/0,aid,114002,00.asp


 FTTHを上限として,速度は十分なものとなった。あとは,広さだ。そのために,必要なものは。

quote:Aiirnet社は来年1月1日,カリフォルニア州セリトス市で街全体を802.11bで覆うサービスを開始する。価格はDSLやCATVインターネットと似たものになるとAiirnet代表は云っている。現在,セリトスの約2.5km平方の範囲でサービスを行われているが,1月1日からはセリトス全域の14km平方でサービスが提供される。

 ネットワークとは,生きるのになくてはならないものとなる。いまはまだ,なくても暮らしていけると思っている人もいるかもしれないが,それは間違いだ。だから,できるだけ広く,確実にネットワークにアクセスできる環境を広めるため,国がきちんと整備する必要があった。ホット「スポット」という名前の,そこに出向かわなければ利用できないものではなく,どこにいても,誰でも利用できるものがあってしかるべきだ。もし,それ以上の回線速度などのサービスを求めるなら,民間企業が提供すべきものだった。

 言葉を話すのにどこかの会社と契約しなければいけない,手紙を書くのにどこかのサービスを利用しなければいけない,ということはあるはずがない。ネットワークとは,そういう存在なのだ。だがまぁ自分の存在と相反する「国」が(過去記事)ネットワークの構築を行わなければいけない,というのがそもそも間違いなのだろう。とはいえ,そのような環境整備を行えるのは,国以外に存在しない。いままでの国に飼われていて,著作権などで権利をごり押しし続ける人々の存在もそうだが,ネットワークがあることでいろいろと社会に歪みが出てきている。ネットワークをすべて廃棄すべきなのか,国を捨て,別の社会構造,社会秩序を作るべきなのか,ひとりひとりがきちんと意志を持つべきときが,いま,なんだ。




 
[2003.12.28]
  2004年音楽事情


 ▼2004 to bring loads of 'free' Net music(Zeropaid.com)【英語】
  http://zeropaid.com/news/articles/auto/12222003c.php


 やっと,落ち着き場所が決まってきたという感じですか。

quote:バイミュージック・コムの創業者,スコット・ブルム氏は「どこかの会社によってたくさんの無料の音楽が配られ,iTunes ミュージックストア(iTMS)などは商売にならなくなる」と云っている。確かにiTMSでは,ペプシ社によって1億曲の無料プレゼントキャンペーンが行われる。飲料業界,MP3プレイヤーメーカー,航空会社,クレジットカード会社がペプシのような音楽のスポンサーになることが予想され,ファーストフードのマクドナルド社は,オンライン音楽配信でのスポンサー役を検討していることが確認されている。

 今年多くの人にはっきりと認識されたことは,音楽なんてもう買うものではない,ということだ。お金を払って音楽CDを買っているようなヤツはバカ,売ってるヤツもバカ。CCCDとかそんなのは全然関係なく,結論はそれだけ。iTMSやナップスターなどの好調さも喧伝されているが,それでも「音楽を金出して買うヤツはバカ」というみんなの認識に変わりはない。だから,ペプシの1億曲キャンペーンが行われ,それはずっと続いていくだろう。

 だってiTMSは開店(4月)から12月までで2500万曲しか売ってないのに(アップル社のニュースリリース),1億曲をただでダウンロードさせるなんて,そんな商売があるはずがない。商売が成り立つはずがない。アップルはiPodが売れれば,iTMSは商売にならなくてよいのだ。音楽が売れないなかでどうやってやって音楽産業を維持していくかがいままで無駄に議論されてきたけど,結果的に企業がスポンサーにつき,消費者はただで音楽を得る,というロードマップができあがった。来年は,それで定着する年であり,音楽を買うなんてことを誰も考えなくなる年なのである。それに文句があるアーティストや音楽業界関係者がいるなら,そんなヤツはこの先,生きていくことはできない。




 
[2003.12.26]
  DVDはコピーしてなんぼ


 ▼DVDコピーツール作者、控訴審でも無罪判決(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0312/24/ne00_dvd.html


 コピーできないDVDなど,焼いても煮てもいけない牛肉と一緒ぢゃ。

quote:ノルウェーの控訴裁判所は,DeCSSの作者,ヨン・ヨハンセン氏に対する公判で一審の無罪判決を支持した。判事は,ヨハンセン氏は自分で購入したDVDを自由にコピーしていいという判決を下した。知的財産保有者と消費者の権利のバランスが明確に定義された,と弁護士は語っている。

 以前はDVDビデオをリッピングしてMPEG4やDivXに圧縮して…としてたんだけど,いまはDVDをそのままイメージ保存してハードディスクにため込んでいる。まぁ編集とかするには動画ファイルにしなきゃいけないんだけど,観るだけならDVDイメージの方が画質劣化もないし,再生も楽。ハードディスク容量が100GBを軽く超えているなら,そっちの方がよい。DVDはコピーしてなんぼである。だらかノルウェー裁判所の「購入したDVDを自由にコピーしていい」という判断は当然である。

 マックOS Xでは何度も云っているが,OSExキャッシュ)だけですむ。DVDビデオのディスクをドライブに入れ,OSExの「Fmt」で「DVD Image」を選択して(pic)保存するだけ。イメージ化できないDVDは,この世にない。できあがった「.IMG」というファイルをダブルクリックすれば,DVDイメージがマウントされ(pic),DVDプレイヤーなどで再生できる。OS X 10.2では「.IMG」という拡張子ではマウントできなかったが,現在の10.3では,「.IMG」だろうが,ウィンドウズで流通しているDVDISOの「.ISO」だろうがなんでもマウントできる。マックOS Xの恐ろしいDVDイメージ対応力に口あんぐり(ちなみにOSExで作成した「.IMG」ファイルもウィンドウズのDaemon Toolsでマウント可能)。このDVDイメージが一層分の容量なら,OS Xの「アプリケーション/ユーティリティ/」にある「ディスクユーティリティ」でDVD-Rに焼ける。起動して「ディスクを作成」ボタンを押し(pic),「.IMG」ファイルを選択,あとはDVD-Rドライブに空ディスクを入れれば準備完了(pic)。焼き尽くせ。




 
[2003.12.24]
  判決


 ▼Kazaa、オランダ最高裁で音楽業界に勝利(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0312/22/xert_kazaa.html


 判決は,誰に効果があるだろうか? そして,「国」というまとまりを裁く必要の時も来ている。

quote:オランダの最高裁判所は,ファイル共有ソフト,カザーを規制しようとする音楽著作権団体の主張を退けた。今回の判決は個人によるソフトの利用方法についての責任を,ソフト開発者が負うことはないというもの。これによって欧州のレコード会社もユーザーを標的とした訴訟をすることになる。

 100人の人がいれば,5つぐらいの国ができて5つの法律ができる。世界はそんなふうに作られていた。「いた」というのは当然過去形であり,昔の人間の作法だ。ネットワーク上で動く人間には,そんな区分けのなかでしか役に立たない法律など意味がない。既存の,国というレベルを維持したままで,ネットワークというのは存在しえない。

 100人の人がいれば,100の常識,良識,知識がある。たばこを吸う人が犯罪者であることもあるだろう,酒を飲む人が犯罪者であることもあるだろう。音楽だろうと,映画だろうと,性風俗だろうと,文学だろうと,許せるか,許せないかは人それぞれだ。オランダの裁判所はいつもネットワークについて理解している判断をする。日本の裁判所のような知識のないようなことはしない。だが,そもそも,そんな国の行う裁判自体,意味がない。わたしたちはそれを理解して,きょうもネットワークにつなぎ続ける。




 
[2003.12.22]
  日なたの瞬速


 ▼米アップル、ワイヤレス対応QuickTime 6.5をリリース -- auも採用(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20063008,00.htm


 僕に初めて動画をいじくる楽しさを教えてくれたのは,やっぱりクイックタイムだった。だから,もっと。

quote:アップル社は,マルチメディアソフトウェアの新バージョン,クイックタイム6.5をリリースした。3GPPに加え,3GPP2をネイティブサポートした。

 海外の人から日本語を知るためにアニメに日本語の字幕を入れて欲しいという話が出て,久しぶりにクイックタイムをいじっている。以前はDVDビデオをmovやmp4に,とあれこれしてたんだけど,マック版DivXがいい完成度になったのでAVIでいいやとなってた。んでも,久しぶりにクイックタイムをいじるとやっぱり楽で楽しい。字幕もなんのツールもないんだけど,クイックタイム・プレイヤー(プロ版)だけで直感的にすぐできる。テキトーに字幕のファイル(←UTF-16)を手作業で作って,テキストトラックとして読み込み,動画に追加すればいい(pic)。ただ,いまその部分をいじるとテキストトラックは各国のテキストエンコードを指定するようになっていて,ユニコードを優先していない(もちろんユニコードも読み込めるが)。マトロスカ動画など,ユニコード字幕に対応した動画形式も出てきているなか,クイックタイムもユニコード1本にまとめてしまった方がいい。それはともかく,クイックタイム6.5になって,MPEG4も若干画質がよくなったこともあり(DivX,Xvidには全然かなわないけど),多少は使われることが多くなって欲しいものだ。

 クイックタイムのいまの中途半端な立場は,なんとも不遇だ,と思う。もったいない。動画などのコンテナとしての汎用性の高さ,ビデオ,オーディオ,字幕,なんでもコピペで済ませられるという編集の自在性など,それを,すでに12年前の誕生時から持ち合わせていたのにはやはり驚く。ただのMPEG4,3GPPの道具で収まるものではない。やっぱりビデオiPodなどの製品が必要だ。どうもアップルの求人ページでは,次世代iPodのためにオーディオとビデオ製品のエンジニアを求めているようで(アップル社のページ),そのために動き出しているようだ。クイックタイムを照らす日差しが,待ち遠しい。




 
[2003.12.20]
  本当の戦い


 ▼米リアル、米マイクロソフトを提訴--賠償金10億ドル請求へ(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20063003,00.htm


 嘘をつかずどこまでもまっすぐ進んでいるロブ,嘘も使って知らないうちに先に進んでいるビル。似ている2人の違う点を簡潔にそう云い表すメディアがある。

quote:リアルネットワークス社マイクロソフト社を反トラスト法違反で提訴,賠償金として10億ドルを請求した。また,将来の違法行為を防ぐため,差し止めによる救済措置も求めている。

 多くのウィンドウズユーザーのPCには,リアルプレイヤーもクイックタイムプレイヤーも入っていない。よっぽどrmやram,movやmp4のファイルを再生する必要性にかられた人ならともかく,そうでなけれど必要ない。それはマックOSでも同じで,リアルプレイヤーやウィンドウズ・メディアプレイヤーなど使っているユーザーはちょっとしかいない。どれでも再生できるMPEG1ファイルがあったって,普通のPCユーザーはウィンドウズ・メディアプレイヤーですますし,普通のマックユーザーはクイックタイム・プレイヤーですます。だが,そんな状況のなかでもリアルプレイヤーのユーザー数は,そこそこいる。少ないんだけど,OS標準のプレイヤーでないという立場にしては,ほめられるほどのユーザー数を確保している。これは,奇跡に近い。

 ウィンドウズからは徹底的に迫害され,それでもそれだけのユーザー数を確保できている理由は,ひとつにはやはりリアルネットワークスCEOのロブ・グレイザーの確固とした信念もあるんだろう。いろいろ云われることも多いグレイザーだけど,そのまっすぐさは見習うべきものがある(ビル・ゲイツとの対象として)。今回の提訴も,マイクロソフトを忘れるな,奴らがこのままでいいはずがない,というただそれだけだ。彼の本当の戦いは,まだまだ終わらない(98年9月のロブ・グレイザーのインタービューのWIRED NEWSの記事)。




 
[2003.12.18]
  冬の夜空


 ▼自律的エージェントで効率を高める天体観測システム(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20031107305.html


quote:eSTARプロジェクトは,天文学上の事象に自動的に反応して記録・報告するソフトウェア,インテリジェント・エージェントによるネットワークを稼働させようとしている。これを使えば,星空の変化を自動的に感知し,天文学者の携帯電話に事象が起きたことを知らせてくれる。

 「ボクの育った田舎の街は,年中星がきれいにみえた。降るような星空どころか,あまりの星の多さに空ごと落ちてきそうな夜空が広がっていた。夏でもきれいなんだけど,冬は星の光が増す。夏の星が銀色だとすると,冬の星は真っ白で,さらに強く輝く白だった。

 ボクもなぜかその冬の星空が好きだったが,そこでもっとも目立っていたのは,やはりオリオンとプレアデス(すばる)だった。オリオンは偉そうに冬の夜空の真ん中に位置し,ほかのすべての星を配下に置くような空気を漂わせていた。神話のオリオンの性格はそれに似ているけれども,実際のところは女ったらし。いまでもプレアデスの7人の佳人を追い続けている。そういう神話のはずだが,なぜかプレアデスに星は6つしかみえない。以前は7つあったのか,それとも新星によって表れただけの星だったのか。オリオンの右肩向こうにみえるゆらぎのプレアデスには,そんな謎がある。

 でもボクは子どものころ,プレアデスに7つ目の星がみえていた。冗談と思われるのだが,いまでもその風景は克明にまぶたに焼き付いている。北斗七星とは違うカタチで,もっと密集する7つの星々。あれは,なんだったんだろう? 冬の夜空がみせたまぼろしだったのか,幻覚だったのか。星のみえない街に引っ越してきてからも,ボクはときどき,数時間も車を走らせて,オリオンとプレアデスをみに行く。7つ目のあの星がみえるような,そんな気がして。」




 
[2003.12.16]
  あしたを持て


 ▼P2P、「ダウンロードは合法」:カナダの著作権監督機関(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20062809,00.htm


 きのうを捨てよ。あしたを持て。

quote:カナダの著作権監督機関は,カナダでは著作権のある楽曲をピア・トゥ・ピアネットワークからダウンロードするのは合法,アップロードは違法だと判断を示した。カナダの著作権法では個人利用目的での複製は許しており,それについて著作権的な要件は明記されていない。

 ゴミを勝手に捨てるのは邪魔にもなるし人々の迷惑になるので違法だけど,ゴミを拾う人間にはたいした罪はない。音楽CDやDVDビデオはゴミとは違うと云うかもしれないが,作って売ってる人間はコピープロテクトなどで人を蔑み,陥れ,バカにし続けているんだからたいして変わらんと話を続ける。もちろんそのゴミからプライベートを侵害したり,売って商売をしているようになるとぉぃぉぃちょっと待てよとなるけど,ひとりで自分のために使ってるんなら,なにも咎めるものはない。まぁ,そんな見方はここではどぉでもいい。

 カナダの判断は,音楽や動画を作っている人間の力か強いか弱いかの国ごとの違いが出ただけで,力が強い国ではこんな判断は出ない。つまり,それだけが基準,だと云うことだ。作品の内容だとか,価格だとか,消費者の利用の仕方とか,ネットの情報の意味とか,そんなものはすべて関係ない。ただ,作っている人間がガタガタ云うか云わないかの違いでしかない。そもそも,そこが変なのだ。完全な第三者が作品を作ったものの立場,消費者の立場,ネットワークの存在意義などを考えて出された結論などはひとつもきかない。これまでもないし,これからもない。そんなものに,従う必要もない。新しい基準,必要なのは,それだけだ。




 
[2003.12.14]
  月と太陽の空をみあげて


 ▼'Looking Glass' 3d Desktop from Sun(Mac Rumors)【英語】
  http://www.macrumors.com/pages/2003/12/20031211055505.shtml


 閉じこめられて,空のある環境を知らない人間は,見上げる,という行為をしなくなる。ただうつむくだけになる。

quote:サン・マイクロシステムズ社のページで,Javaでよる3Dデスクトップ環境「ミラー・ガラス」がデモされている。デモのビデオは,3次元デスクトップ環境の可能性を示している。

 以前,3DOSXというアプリケーションを紹介したことがあった(過去記事スクリーンショット)。マックOS Xのファイル操作を3D環境でできるというもの。水中を泳ぎ回るとファイルがふわふわと浮いていて,触れるとそのファイルが開く。ウィンドウズでは窓立てというツールも面白い。ミラー・ガラスは窓立てっぽいなと思うけど,くるくるウインドウが回転したりともっと自由度は高くなっている。これがJavaで? とあまりJavaでのグラフィック的な処理をみたことないのでとてつもなく驚く。すげー。

 2次元のデスクトップは,あまりにも狭すぎる。OS X ジャガーのエクスポゼはその不満を解消するためにある。1600x1200ピクセルの画面だって狭い。3DOSXも窓立てもミラー・ガラスもそこに奥行きを持たすことで解決方法を示している。でも,わたしたちは首を右に向ければ大きな空間が広がっている。後ろを向くこともできるし,上をみあげることもできる。首を前方向に固定して使っているパソコンは,纏足の習慣に似ている。ホントの3Dに,わたしたちはまだたどり着いていない。ネットワークも2Dぢゃない。3Dのネットワークが開かれたとき,それが人間の新しい世代を生むときと,なる。




 
[2003.12.12]
  成功の鍵


 ▼Coke floats music download service(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/content/6/34404.html


 成功する鍵はなんだ? 値段か? 利便性か? ブランドか? いまはまだ成功と呼べる成果をあげているサービスなんかない。将来,成功となりえるサービスもない,けど。

quote:コカコーラ社はすでにバザーのような状態になっている音楽配信事業に参加する。マイコーク・ミュージックのサイトは,来年1月に英国でサービスを始動するとしており,8500人のアーティストの25万曲を,1曲99ペンスで売るという。マイクロソフトのヨーロッパのDRMサプライヤーが協力している。

 1曲99ペンスということは0.99ポンド,1ポンドは今日の相場だと189円ほど。米国の99セント(109円ほど)と比べるとはるかに高いが,まぁ米国ではアップルが突っ走っただけなので,ほかが最初に始めるとこんな値段なのかもしれない。日本でもナップスターやiTunesミュージックストアの開始が来年と云われているけど,キチガイぞろいの日本ではもっと高い値段がついても別に変ぢゃない。

 記事中にもあるけど,アップル,マイクロソフト,デル,ヒューレット・パッカード,ナップスター,ウォルマートと,すでに乱立状態のオンライン音楽配信。なんでコカコーラやねんと思うけど,まぁペプシのiTunes ミュージック・ストアでの1億曲プレゼントに対抗するのがいちばんなんだろう。とはいえガチガチのPC関連企業でない企業の参加は評価に値する。音楽業界が始めたサービスはほぼ全滅に終わり,PC業界がやるサービスはアップルのiPodなど別の利ザヤで盛り上がり,その次がなにか,であるんだろうし。ただし,それが最後に成功にたどり着くとは思わない方がいいけどね。




 
[2003.12.10]
  更新時刻 1.12/09 21:53 (H)


 ▼失踪していた有名ブロガー、2ヵ月後に無事見つかる(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20031209207.html


 「リアルとワイヤードとどっちを信じるかって? どっちも本当のことさ。どこにも嘘なんか,ない」。

quote:広く読まれているウェブログ,ロボット・ウェズダムの運営者であるジョーン・バーガー氏が2ヶ月前から行方不明になっていることが明かされて,ファンの間に動揺が広がった。だが,結局バーガー氏は別の町に住居を移しただけだとわかった。

 サイトが変わらずに更新されていれば,変わらずに生きてるんだねと安心する,というのはよくある。わざわざこまめに連絡を取り合うほどぢゃない。でも変わりないかどぉか知りたい,というときにサイトを持っている人間のサイトは便利だ。更新が止まってたり,サイトが行方不明になったりしているのに気付いたら,メールなどで連絡すればいい。だが。

 電話で昔の友人と話をしていて,彼のことが話に出た。「ああ,彼にはもうずいぶんと直接会ってはいないよ」「? おまえ,知らないのか? 彼は,もうひと月ほど前に亡くなったんだよ」「…タチの悪い冗談だな。彼のサイトはいつも更新されているよ。きのうだって…」「冗談なものか,ボクは葬式にも出て,彼の死に顔もみてきたよ。サイトはなにかの間違いぢゃないのか?」「いや…」。わたしは改めて更新時刻を取得するアンテナで彼のサイトが上の方にあるのを確認して,彼のサイトへのリンクをクリックした。毎日変わらずに更新されている。アドレス帳を探して電話をしてみた。現在使われていない電話番号だというメッセージが流れた。どぉいうことだ? わたしは彼のサイトにあるメールアドレスをコピーして,メールを出した。彼がもういないなら,エラーメッセージが戻ってくるはずだ。だが,翌日,彼から返信が来た。本文には…。




 
[2003.12.08]
  R.O.D and N


 ▼本を贈ろう:ハイテク世界でローテクの贈り物を(asahi.com)
  http://www.asahi.com/english/svn/gillmor/TKY200312060148.html


 ▼少女はいつも手に本を持っていた。だが,本を開いて,読んでいる彼女をみることはついぞなかった。「本を開くなんて,そんなこわいことはできません。そのまま閉じこめられてしまいそう。だから,本は開かずにいつも持ち歩くものなんです。胸の中に,いつも孤独を抱えるように」。

quote:小さな女の子がバスのなかで本を読んでいた。唇を動かしながらページに目を走らせ,隣の女性にしょっちゅう単語の読み方を聞き,そして微笑を浮かべていた。ハイテク化の進む世の中で,年に1度は本の贈り物を考えていただきたい。マーキュリー・ニューズ社では,子どもに本を送るプログラムを実施している。

 ▼絶望と孤独の毎日だった。希望を避け,人を避け,そんな毎日を過ごしていた。本はいつも読んでいたが,本が絶望と孤独をなぐさめてくれることはなかった。当たり前だ。本のなかの希望は現実ではなんの役にも立たないし,本のなかで誰かと話し込むこともない。だが,人は絶望と孤独をおそれるものだが,ときにそれを求めもする。だから本は,多くの人に読まれる。そしてわたしは,本を愛し,本に恋をし,そして絶望と孤独の毎日を過ごし続けた。

 ▼コンピュータと本は,以前は親戚同士だったが,コンピュータが必ずネットワークと手を取るようになって,お互いはまったく赤の他人になった。いや,他人どころか,もしかしたらいまは憎しみ合っているかもしれない。本のなかに現実はない。だがネットワークの向こうには現実がある。いや,ネットワーク自体がもう現実となった。家出した少年にとって,本はあまりにも寂しすぎるが,ネットワークは心をいやしてくれる。コンピュータはネットワークによって別人になった。だからわたしは望む。本とネットワークの融合を。それは,果たしてどんな潤いを社会に注いでくれるだろうか。もうわたしの頭にはネットワーク・ブックのカタチがみえてきている。遠い未来の話ではなく,あしたにでも,それはみんなの手元に届くだろう。あなたにも,その姿がみえるはずだ。




 
[2003.12.06]
  ごまかしのストリーミング


 ▼PDAや携帯電話ユーザーがWi-Fiにより音楽を共有する『ツナ』(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20031205301.html


quote:メディアラボ・ヨーロッパは,ツナというアプリケーションをテストしている。これは携帯電話やPDAで無線LANを利用し,互いのデバイスの楽曲を共有できるというもの。ほかのユーザーが近くにいると,そのユーザーの曲を聴くことができる。だが,ストリーミングだけでコピーできない装置が普及するか,疑問に感じている人もいる。

 米国にはラプソディという音楽サービスがある。曲をダウンロードすることはできず,ストリーミングで聴くサービスだが,自由にいろんな曲を聴くことができるということで,高い評価をしている人もいる。米国以外からは利用できないのでわたしも使ったことはなく,評価なんてできないんだけど,わたしはよく聴くネットラジオ局もあるし,その手のサービスはうれしく,ありがたいものだと思っている。だが,それ以外ないとなったらどぉ感じるだろう? 記事の最後の部分で,iTunesミュージックストアがダウンロード販売だけでストリーミングサービスを行わないのは,ジョブズ氏の信念によるものだと受け取れる発言がある。ダウンロードできない,ストリーミングだけだとしたら,わたしたちは音楽なんか聴くのをやめるだろうか?

 もしかしたら,そうなのかもしれない。「補助」としては,ストリーミングがあってもいいけど,なにも手元に置いておけないようなものは,そのうち興味がなくなる,のかもしれない。ツナも,曲をダウンロードできるなら普及しそうだけど,できないんならどぉでもいい,となってしまうのかもしれない。金を払ってるならちゃんとコンテンツを保持させろよ,と思う気もする。繰り返すがネットラジオは楽しい。ストリーミングでも十分に楽しめる。だがそれだけになってしまうと,人は満足しない?

 映画館や遊園地に行っても,なにも残らない。パンフレットとか付随するものは買って残るかもしれないけど,コンテンツ自体は残らない。でもそれで満足している利用者は多い。つまり,時間を買うという行為。デジタルコンテンツで,それが可能なのか? 本当は保存できるものなのに,保存させないようにごまかして提供しているものでは,最後にはやっぱり捨てられる,のかな?




 
[2003.12.04]
  バイトの値打ち


 ▼世界の情報量は年間18エクサバイト(Sankei Web)
  http://www.sankei.co.jp/news/031202/1202bun065.htm


 18エクサバイトのうち,自分の前を通り過ぎていったのがどれくらいか考えてみよう。確かにデータ量は膨大なものとなった。はるかに増えた。でもね。

quote:カリフォルニア大学の研究者によると,2002年に世界中で生成された総情報量は約18エクサバイトになったらしい。エクサバイトとは10の18乗バイトのこと。ギガバイトの約10億倍にあたる。ブロードバンドの普及によって情報量増加はさらに拍車がかかる。だが,パソコンでは「思い」は扱えない。

 「記録」と「記憶」は違う? No。「記録」と「記憶」は同義と考えるべきである。記録されない記憶はなく,記憶には必ず記録がある。ただし,記録は公開し,共有することができるが,記憶は個人の問題である。とある記録はある人にとっては大事な記憶となるが,ある人にとってはどうでもいいすぐに忘れる記録である。「記録」を「記憶」とする作業は個人の選択であり,とはいってもすべての「記録」は「記憶」となるフラグが立っている。共有されている「記録」は,誰かの「記憶」であり,さらにほかの人の「記憶」となりえる。「記録」より「記憶」の方が大切であり,上位であると云う考えは,個人的な思い上がりである。わたしたちは,すべての情報に対して,誰かの記憶になりえるものとして畏敬を持つ必要があるのだ。

 総情報量の増大によって幻惑されている? No。実際のところ,総情報量の増大はたいして意味のないことだ。愛情とは,数値化できないものだと云う。1ほど好きな相手と,10ほど好きな相手に対して,どのような違う行動をとるかというと,なにも変わらない。ラブレターの文字数が増えるわけぢゃないし,会うために違う理由付けをすることもない。行動は,なにも変わらない。接続環境はブロードバンドの普及などで便利にはなったけど,やっていることは10年前もなにも変わらない。たとえばダウンロードしているものだって10年前はMP3やCDイメージだったけど,それが今はEACやDVDイメージになっただけだ。バイト数は増えたけど,それに対する思いはなにも変わらない。行動もなにも変わらない。




 
[2003.12.02]
  Falcon


 ▼Apple's Tablet Computer Might Finally Be That Link Between Your PC and TV(PBS)【英語】
  http://www.pbs.org/cringely/pulpit/pulpit20031127.html


 『Falcon』。

quote:タブレット・コンピュータは90年代始めのペン・コンピューティングからさまざまなものがあったが,結局普及しなかった。ウィンドウズがタブレットPCを出している今だが,アップル社はタブレットには参入せず,スティーブ・ジョブズ氏は「本物のコンピュータとはキーボードを持っているものだ」と繰り返している。だが,高画質のテレビもストリーミングできる無線通信技術,IEEE 802.15.3を搭載すれば,タブレットは音楽も動画も扱えるスマートで完璧なデジタル・ハブとして機能するだろう。

 『寒い季節が訪れるたびに,林檎屋の新しい小型ハードの噂が飛び交うのは気のせいだろうか。802.15.3についてはWIRED NEWSの記事でも参照して欲しいが,中途半端なハードは作らないとPDAの発売も一蹴し続けている仕事氏にその気持ちを捨てさせるほどの能力を802.15.3は持っているとForkは考えている。802.15.3はエアポートのようなベースステーションは必要なく,機器に送受信端末があればいい。つまり,テレビに映像を飛ばす端末をつけて,パソコンも802.15.3に対応していれば,テレビの映像がパソコンでワイヤレスのまま,途切れることなくみられる。音楽も同様に,オーディオコンポにでもなんにでも自由に送受信させられる。通信速度は最大55Mbps。

 巨人屋のPPC970(G5)によって,PCチップで一歩抜きんでた立場にある林檎屋にとって,いまは優秀なタブレットを作成する余裕がある時期と云えよう。デジタル・ハブ,デジタル・ハブと連呼しているわりに動画とつながることはさっぱりなく,iPod以外の音楽機器ともつながることはさっぱりない。本当のデジタル・ハブのために,802.15.3,そしてそれを手軽に扱えるタブレットは,必然の流れとも思える。ニュートンで失敗したジョン・スカリーを笑い飛ばしたい仕事氏の気持ちは当然だが,そろそろ転換期に来ているのかもしれない。』(q.v. Mac the Fork




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